こんにちは。

飯田橋のカウンセリングルーム、サードプレイスのナカヤマです。

 

「ほめて育てる」とは言いましたが、実際、子育てって難しいものです。

頭ではこうするといいよ(またはこうしてはいけないよ)というのが十分にわかっているのに、実際にはそうできないのは、私たちの個人的な感情によるものも大きいでしょう。

特に扱いが難しいのが怒りの感情です。

 

イヤイヤ期とかterrible two とか言われる2歳から3歳の子どもを前に、腹が立ってつい叱ってしまった、カッとなってつい叩いてしまった。その後、子どもの涙で泣きぬれた寝顔をみてごめんねと申し訳なさで自分も涙する・・・こういってはなんですが、育児雑誌にある投稿の一つのパターンではないでしょうか。

こういうことって子育てでよくあることだよね、と共有しあうことで私たちは少し安心して、より良い親になろうとまた努力することができます。

でももう少し真剣な話をすると、子どもを激しく叩いたり、怒鳴ったりすることで子どもの健やかな成長が妨げられることは今では様々な研究で明らかになっています(発達に関する身体的な問題や自尊心や自己肯定感の低さなどの心理的な問題、将来うつなどの精神疾患へのなりやすさなど数々の研究でそれが知られています)。

一方で私たちの親世代は子どもをきびしく「しつける」ことは当たり前でした。親の怒りは子どもに体罰という形をとることは珍しいことではありませんでした。それからすると、私たちは自分の子どもを育てる時に「親のやり方を見習う」ことはあまりいい方法ではないのかもしれません。

 

ここでは、「カッとなってつい手が出てしまう」といういつものパターンを変えてみる一つの方法として「タイムアウト」を紹介します。

「タイムアウト」は怒りの衝動からいつものパターンになりそうになったら、その場から離れて落ち着くのを待つ、というシンプルな方法です。その方法のポイントは「怒りは30分程度で山を越える」ということを知ることにあります。

例えば楽しい、という感情について想像してみてください。お笑い番組なんかを見ていてとっても楽しくて大笑いしていても、ある山を越えると「ふー、やれやれ」という状態になりますよね。楽しい気持ちもいつかは終わるもので、どんなに望んでもこのままずっと笑い続けることはできません(残念ながら)。

人間は一つの感情をいつまでも同じ強さで持ち続けてはいられないのです。

怒りも楽しいという感情と同様に、(腹が煮えくり返りつつも)静かにそれを観察していればその山は30分程度で収まります。収まった後で子どもに必要なこと:「着替えてお昼寝しようね」「お風呂にはいろうね」「おもちゃを棚にしまってね」と比較的落ち着いて伝えることができます(そうしてそれを子どもができたら具体的にほめる:「自分でお着換えできて偉いね!」ことができます!)。

 

そしてもう一つの「子どもの寝顔に謝る」パターン、を変えるのはもっと簡単かもしれません。

子どもが起き出して、いいご機嫌が戻ってきた時に、「さっきはあなたを叩いたりしてはいけなかったのにそうしてしまってごめんね」とストレートかつ丁寧に謝ることです。

罪悪感に浸っているより、きちんと謝るほうがずっとすっきりするものです。

 

このような実践を通して私たちは、子どもが生きていく上で大切なことを伝えることができます。

怒りの感情について、人や自分を傷つけることなく自分自身できちんとコントロールできるということと、過ちがあったときはストレートに認め、謝罪する、ということを教えることができます。

それは「人を叩いてはだめだよ」とか「悪いことしたら謝りなさい」と口でいうよりもずっと効果があるってことが想像できると思います。

 

 

世の中の、子どもとかかわるすべての大人たち(私も含め)を、心から応援しています。

 

ではまた。

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投稿: 飯田橋 サードプレイス

東京千代田区飯田橋にあるカウンセリングルーム、サードプレイスのブログです。

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